COVID-19患者における心筋傷害の想定されるメカニズムの理解

Yu, B., et al. (2023) Possible Mechanisms of SARS-CoV2-Mediated Myocardial Injury. Cardiovascular Innovations and Applications. doi.org/10.15212/CVIA.2023.0031.

「Cardiovascular Innovations and Applications」誌に新たな記事が掲載されたことを発表する。その主題は新型コロナウイルス感染症（COVID-19）によって引き起こされる心筋への影響で、この問題は研究者たちの間でますます注目を集めている。

COVID-19は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2（SARS-CoV-2）によって引き起こされ、急速に世界的な健康危機となった。SARS-CoV-2は呼吸器への影響だけでなく、心臓にまで影響を及ぼし、心筋損傷を引き起こすことができる。

心筋損傷はCOVID-19の重要な病理学的特徴である。アンジオテンシン変換酵素2受容体がこのウイルスの病原性において重要な役割を果たし、SARS-CoV-2が体内に侵入する「橋渡し」の役割を果たす。しかし、SARS-CoV-2がどのようにして心筋損傷を引き起こすのか、その正確なメカニズムはまだ明らかになっていない。

本記事では、COVID-19患者における心筋損傷の主な可能性のあるメカニズムをまとめている。これには、直接の心筋細胞損傷、微小血管機能障害、サイトカイン応答と全身性炎症、低酸素血症、ストレス反応、薬剤誘発性心筋損傷が含まれる。これらのメカニズムの理解は、COVID-19患者における心筋損傷の正確な特定と治療に役立つだろう。